Interview

相談するほどでもない不安に、応えてくれる助産師がいる。MamaWellと歩んだ妊娠〜産後

相談するほどでもない不安に、応えてくれる助産師がいる。

MamaWellと歩んだ妊娠〜産後

趣味のダイビング、登山、マラソン。妊娠したら、全部できなくなる——そんな複雑な気持ちを抱えながら、新海さんはMamaWellを始めた。担当についた助産師歴20年の大井さんとの対話は、やがて育児の不安を超え、夫婦のことまで及んでいく。「大井さんがいなかったら、今の育児はできていなかった」。そう言い切れるまでの9ヶ月間を、ふたりに振り返ってもらった。


「望んでいた妊娠、、この先どうなっていくんだろう」という喜びと不安

――MamaWellを始めたきっかけを教えてください。

新海さん:
妊娠してMamaWellを知った頃は、安定期を過ぎており、体調面や妊娠そのものについての大きな不安はあまりありませんでした。一方で、私が特に心配していたのは出産後のメンタル面です。

妊娠はもちろん望んでいたことでしたが、妊娠がわかってからの1ヶ月間は、ほぼ毎日のように泣いていました。そうした経験から、自分は出産後もメンタルが落ち込みやすいタイプなのではないかと感じるようになりました。そこで、妊娠期だけでなく、産後まで継続してサポートを受けられる点に魅力を感じ、MamaWellを使ってみようと思いました。

もともと妊活を緩くやっていたのですが、私の趣味はダイビング、登山、マラソンで、妊娠したらできなくなるものばかりなので、マラソンの大会エントリーやダイビングは一度お休みしていました。

それでもなかなか妊娠せず、「もしかして無理なのかな」と思い始めた頃、マラソン大会にエントリーしました。すると、その直後に妊娠がわかって。「このタイミングで?」と驚きましたし、「ダイビングも申し込んだのに、キャンセルしなくちゃ……」と、正直かなり衝撃を受けました。

望んでいた妊娠ではあったものの、自分でも気持ちが整理できず、「この先どうなっていくんだろう」という不安が大きかったです。出産を本当に乗り越えられるのか、つわりはどれくらい辛いのか、趣味のダイビングやマラソンもできなくなるし、大好きな魚も食べられなくなる。そんな様々な不安が一気に押し寄せてきました。

「この子はちびちび飲むタイプだから、大丈夫ですよ」

――病院や地域の保健師さんとの関わりと、パーソナル助産師の違いはどこにありましたか?

新海さん:
うちの子どもはあまりミルクを飲まないタイプのようで、退院時に病院からは「2週間健診までに、この分量のミルクを飲ませてください」と指導を受けていました。しかし、実際にはまったくその通りに飲んでくれず、量も大きく足りていませんでした。

生後2週間の訪問時、地域の保健師さんから「お母さん、この子は本来増えるはずの体重の半分しか増えていません」と言われました。ミルクはあげているのに飲んでくれない状況だったので、その言葉がとても辛く、思わずその場で泣いてしまいました。

その1ヶ月後にも保健師さんが来てくれましたが、体重は増えていたものの、その子に合わせた対応というよりは、一般的な説明が中心だった印象です。「1日にこれくらい飲ませてください」と言われても、やはり飲まない状況は変わりませんでした。

その頃、大井さんには毎日「今日はこれだけしか飲まなかったです」「お昼は吐いてしまいました」と状況を伝えていました。地域の保健師さんもミルクの記録は確認していましたが、対応は「この量ではダメです。もっと飲ませてください」といったものでした。

一方で、大井さんに相談すると、「この子はちびちび飲むタイプだから、大丈夫ですよ」と言ってくれて、きちんと見てもらえている、理解してもらえているという安心感がありました。

すくすく育つ赤ちゃんと、抱っこも手慣れた新海さん

「しっかり向き合って育児をされていますよ」と、伝え続けた

――サポートする上で、特に心がけていたことはありますか?

大井さん:
新海さんは、赤ちゃんのミルクの量や排泄の回数が不安になった時など、こまめに相談してくれました。体重は少しずつ増えていたので大きな心配はないとは思いつつも、私自身の病院勤務の経験から、実際に飲んでいる様子を見たり、触れて確認したりすることができず、当初は数値や画面越しの情報だけで判断することには難しさを感じていました。

そんな中で、新海さんが「今日はこれくらい飲みました」「少し吐いてしまいました」といった状況を毎日細かく伝えてくれたため、この様子であれば大丈夫そうだと判断し、その都度アドバイスをお伝えしていきました。

地域の保健師さんの訪問もあったようですが、保健師と助産師では考え方や伝え方が異なることもあります。言われたことに対して新海さんが不安を感じている様子だったので、「しっかり向き合って育児をされていますよ」と伝え、少しでも自信を持って、安心しながら育児をしてもらえたらという思いで関わっていました。

「喧嘩したいわけじゃないのに、喧嘩になってしまった」

――パーソナル助産師には、どんな相談をしていましたか?

新海さん:
4月から保育園に入ることを想定していたため、卒乳をどのタイミングで進めればいいのか、また夫が育児休業を取ってくれていたこともあり、パパにどのようにサポートしてもらえばいいのか悩んでいました。

言葉にするのは難しいのですが、家事や育児を思うように分担できないことが多くありました。こちらが手伝ってほしいタイミングでゴミ捨てやお風呂の準備をしてくれなかったり、夜中に子どもが泣いても、もう少し駆け寄ってほしいのに、私だけが起きることが続いたりしていました。

育休を取ってくれているだけでありがたいと思う一方で、イライラが募ることもありました。育休が終われば、いずれはワンオペになる。そのときにどうやって育児を回していけばいいのか——そんな日々の些細な悩みを、大井さんに相談していました。

「相談」というほどではないけれど、誰かに聞いてほしい

――体調や気持ちの変化について教えてください。

新海さん:
何かあったときに、すぐ聞ける存在がいることがとても心強かったです。もちろん、地域の保健師さんに相談すれば対応してくれると思うのですが、そこまでではないなと感じる場面もありました。

特に、少し気持ちが沈んでいるときは、「相談」というほどではないけれど、誰かに聞いてほしいこともあります。そんなときに大井さんがいて、すぐに連絡できるという安心感があったのが、とても良かったです。

「わかってもらえている」と感じることができました

――お互い、印象的だったエピソードを教えてください。

新海さん:
本当に頼れる存在で、「何かあったら大井さんがいる」と思えていました。大井さんは、私の話を決して否定しません。「辛いです」と伝えると、「そうですよね」とまず共感してくれます。こちらの気持ちを受け止めたうえで話してくれるので、「わかってもらえている」と感じることができました。

また、育児のことだけでなく、私がパパと喧嘩してしまった時にも相談していました。「喧嘩したいわけじゃないのに、喧嘩になってしまった」と話すと、そのことも受け止めてくれて、とても救われました。

大井さん:
新海さんが妊娠34週の頃、育休前後のタイミングで、パーソナル助産師として担当させていただきました。当時は「まだ仕事を続けたい」という気持ちと、「その気持ちがお腹の赤ちゃんに伝わってしまうのではないか」という思いの間で葛藤していた頃です。初めての出産・育児ということもあり、慣れないことやわからないことが多く、不安から涙されることも少なくありませんでした。

ご主人の育休が明ける前後は特に不安が強く、落ち込んでいることもありました。ただ、その後も面談を重ねていく中で、日を追うごとに肩の力が抜け、ゆったりと育児をされているように感じました。表情も次第にやわらぎ、笑顔が増えていったのが印象的です。

ネガティブになることも次第に少なくなり、穏やかに、にこにこしながら赤ちゃんに向き合われている様子から、少しずつ育児に慣れてこられたのだと思います。MamaWellを通じて、お母さんになっていく過程を一緒に感じられたことをとても嬉しく、ありがたく思っています。

活動の場を広げる、助産師歴20年の大井さん

「自分はできていない」と感じてしまうのは、真剣に向き合っているからこそ

――パーソナル助産師として、サポートする上で心がけたことは何ですか?

大井さん:
今のお母さんたちは、情報がたくさん得られて便利な一方で、ネットやママ友から入ってくる情報の中にある「理想的な育児」や「順調に成長している子ども」の姿が、どうしても目に入りやすい環境にあると思います。そうした姿を目標にするあまり、「自分はそこまでできていない」と感じてしまうと、自信を失いがちです。

新海さんも、「自分はちゃんとできていないのではないか」「子どもをきちんと成長させてあげられていないのではないか」と、落ち込まれることもありました。ただ、それは育児に真剣に向き合い、頑張っていらっしゃるからこその悩みだと感じていました。

妊娠期はまた違った支援になったかと思いますが、産後の新海さんには少しでも自信を持ってもらえるようにサポートさせていただきました。出産や育児は、人生の中で何度も経験できるものではありません。だからこそ、この貴重な時間を少しでも楽しんでほしい。そのためのお力添えができたらという思いで、「寄り添うこと」を大切にしていました。

「大井さんがいなかったら、今の育児はできていなかった」

――大井さんへ、メッセージをお願いします。

新海さん:
大井さんには、感謝の気持ちしかありません。妊娠中は「どれくらい運動していいのか分からない」といったことから、産後は「赤ちゃんがミルクを飲まない」「生後2ヶ月で夜通し寝ているけれど大丈夫なのか」「ベビーカーでは寝るのに、お昼寝しようとすると寝ない」といったことまで、本当にあらゆる些細な相談をさせていただきました。その一つひとつに寄り添い、サポートしてもらえたと思っています。大井さんがいなかったら、今の育児はできていなかったと、はっきり言えます。本当にありがとうございました。

産後1ヶ月で母が入院した。それでも続けられたのは

――MamaWellを利用して良かったことを教えてください。

新海さん:
実は、里帰りをしない代わりに、母に3ヶ月ほど家に来てもらう予定でした。しかし、産後1ヶ月も経たないうちに、母が入院することになってしまったんです。パパにうまく頼れないことや、日中ワンオペになることで、また気持ちが不安定になることが想像できたので、個人での利用を継続して本当に良かったと思っています。 (※産後3ヶ月までは健保負担。期間は企業・健保により異なります)

産後4ヶ月頃になると、身体測定や健診の機会も減っていき、身近に相談できる専門家は大井さんしかいない状況でした。距離は離れていますが、気持ちとしては、もう親戚のような存在です。友達のように「こんなに大きくなったよ」と直接伝えられないのだけが残念ですが、それほど深いつながりを感じています。

助産師の活躍の場は、病院の外にもある

――パーソナル助産師のやりがいや、今後の目標を教えてください。

大井さん:
私は病院勤務が長く、助産師の仕事は病院でしかできないものだと思っていました。ですが、新海さんと私のように、MamaWellが妊婦さんと助産師をつないでくれたことで、妊娠・産後の大切な時期に継続して関わらせていただくことができ、とてもありがたく感じています。

助産師が活躍できる場が、病院の外にもあると知れたことは大きな気づきでした。妊娠から育児の期間には、楽しいことだけでなく辛いこともあります。だからこそ、少しでもその時間を楽しく、貴重なものとして過ごしていただけるよう、これからも妊婦からママになる過程で、寄り添った支援を続けていきたいと思っています。

パーソナル助産師

大井 友美

富山県で活動中。

助産師歴/20年

得意領域:自然分娩のサポート,産後のこころのケア,母乳育児・授乳支援 大切にしていること

お一人お一人が大切にされていること、お気持ちやお考えなどをしっかりと受け止め、妊娠・出産・育児を少しでも心穏やかに、楽しく過ごせるよう、お手伝いさせてください!

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