【助産師執筆】産前産後のうつを予防するためには?

 現代はストレス社会と呼ばれ、多くの役割や期待を求められ苦しくなることも多いでしょう。

 特に女性は妊娠・出産に伴い女性ホルモンがこれまでとは正反対の身体の状態を維持するため、その量と種類が大きく変化する時期を経験し、産後は妊娠のために維持されていたホルモン量が一気に減少することから、ジェットコースターの落差と同様の経験をすると言われることもあります。

 それに加えて、妊娠期から母親になることを求められ、こころの準備も必要とすることから精神的な不調に悩まされることも少なくありません。

 統計によると、産後うつは出産を経験した女性の約1割が経験すると言われていますが、その実際は産後ではなく妊娠中から発症していることは少なくないと考えられています。

 今回は、「こころの風邪」と呼ばれ、意外と身近な”うつ病”の症状と、かかった場合には風邪以上に特効薬が少なく、最悪の場合、死に至らしめるようなこころの病の予防法についてご紹介します。

 うつ病の症状は、①いつも憂うつな気分、②面白く感じない、③食欲がない、④眠れない、⑤考えが進まない、⑥やる気がおきない、⑦自分には何の価値もないと感じる、⑧集中できない、⑨この世から逃げてしまいたいと感じるなどの症状のうち、半分以上が最低2週間続く状態を指します。

 分かりやすく言うと、人間の三大欲求である食欲・睡眠・性欲の低下、および生きていたいという欲求が欠落してしまうことです。上記のような症状に思い当たらない、もしくは半分以下であっても、「涙」が出やすくなること、家族に対して「イライラ」することの、この2つの症状はうつ病のSOSのサインと言われているので、このような症状には注意しましょう。

 女性の身体やこころだけではなく、家族にも影響を与える可能性のあるうつの予防には、運動や身体づくりが効果的と言われています。特に適度に身体を動かし、妊娠初期の気分の悪さをまぎらわせることで、憂うつな気分になることを防いだり、体重の増加で動きにくくなることを軽減することでストレスがたまりにくくなったりと、妊娠中にうつ病を発症する確率を67%減少させることが分かっています。また、運動や身体づくりにより、その他のストレス軽減やリラックス効果、よりよい睡眠を促すことにつながるなど多くの効果が期待できます。

 もし、こころやからだの負担を感じたら、身近な人や医師または助産師などの専門職に相談しましょう。薬を飲むことに抵抗がある方も少なくないですが、ホルモン量や気分の活性化を促す脳内の分泌物の減少を抑えるためには、薬物療法は大変効果的です。妊娠中であっても胎児に影響の少ない薬や、産後の授乳中でも継続できる薬もあるので心配しないでくださいね。

〈まとめ〉

・妊娠中から産後は、精神的な不調を感じやすく、「涙」や、家族に対して「イライラ」することは、うつ病のSOSのサインと言われており注意が必要です。

・うつの予防には、身体を動かすことが効果的であり、妊娠中の気分不快をまぎらわせたり、ストレス発散につながったりします。

・身体を動かすことで、妊娠中にうつ病を発症する確率を67%減少させると言われています。

・こころやからだの負担を感じたら、身近な人や医師、助産師などに相談しましょう。

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